第219章

地下室に、男のドスの利いた声が響き渡る。

側近の男は、怒りで肩を激しく上下させていた。

「いい度胸だ。なら、テメェの骨と俺のやり方、どっちが硬えか試してやろうじゃねえか」

彼は長年、榎田神也の影として動いてきた男だ。悪党をどう「始末」すればいいか、誰よりも熟知している。

手を変えて痛めつけてやろうかと思案したその時、振り返ると、入り口に榎田神也と篠崎アエミが立っていた。

篠崎アエミは氷のような無表情で、捕らえられた男の前へと歩み寄る。

縛り上げられた男を前に、彼女は微塵も恐れる様子を見せない。榎田神也が調べ上げた資料を片手に、冷ややかな笑みを浮かべた。

「末期癌なんですってね。...

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