第222章

 言葉を続けようとした瞬間、篠崎おばあちゃんの目から、ぽろりと涙がこぼれ落ちた。

 榎田神也はあわててティッシュを取りに走り、「おばあちゃん、ゆっくりでいいから、話して」と差し出した。

 篠崎おばあちゃんは、ふと窓の外の陽射しに目をやり、ひとつため息をつく。涙をぬぐい、気持ちを整えてから、ようやく口を開いた。

「実はね、あの子はね、山奥で拾ってきた子なんだよ」

 自分でも抑えきれないように、またため息がもれる。

「昔ね、じいさんと二人で山に山菜を採りに行ったんだよ。あの頃は食べる物にも困っててね、飢え死にするんじゃないかってくらいで、それで人のあまり入らない奥のほうまで入っていった...

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