第228章

バー。

榎田神也は足を組み替えながら、本革のソファに沈み込んでいた。

グラスを一杯、また一杯とあおり、目尻は赤く染まり、顔にはすでに酔いの色が浮かんでいる。

苛立たしげにシャツの襟をぐいと引っぱる。

前ボタンはほとんど外れっぱなし。

鍛え上げられた腹筋のラインが露わになり、いやでも色気を漂わせていた。

そこへ中村景が慌てて駆けつけ、ベロベロに酔っ払った榎田神也と、テーブルに並んだ十数本の高級ワインのボトルを見比べて、ふうん、と感心したように舌打ちする。

「何があったわけ? 話してみなよ、あたしが楽しめるようなやつをさ」

「失せろ」

榎田神也はうっすらと瞼を上げ、近くのボトル...

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