第232章

「ボス、どうなってんだよ? まだ声ひとつ聞こえねぇぞ。もしかして役立たずなんじゃねぇの?」

「バカ、口、慎めよ。ボスに聞かれたらマジで殺されるぞ。こないだ一緒にションベン行った時見なかったか? あの人の“持ち物”、十分すぎるだろうが」

「ははっ……」

下卑た笑い声が近づいてくる。

篠崎アエミの顔が一気に熱を帯び、今にも血が滴りそうなほど真っ赤になる。思わず榎田神也をきっと睨みつけた。

「……どうするのよ、今」

「決まってんだろ。芝居して誤魔化すんだよ。じゃねぇと、お前が危ねぇ」

榎田神也は目を細め、にやりと笑うと、そのままアエミの紅い唇へと顔を寄せてくる。

「それに──こんな...

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