第240章

女の人が声を上げて笑い、男の人は、その様子を慈しむような目で見守っていた。

よく言われる言葉どおり、彼女がはしゃぎ、彼が笑う。

そんな、見ているだけで胸が温かくなる光景。

篠崎アエミは、ほとんど反射でこくりとうなずいた。

「いいわ、ちょうどわたしもここにいるし、今のうちに契約しちゃいましょう!」

「いいねいいね!」コミケの責任者が興奮気味に返事をし、そのまま駆けていく。ほどなくして、戻ってきたときには、その後ろにひとりのイケメンを連れていた。

片桐律。

名門の御曹司。

ここ最近の片桐家の騒動は、ネットでもさんざん取り沙汰されている。

片桐律はすでに片桐家を出て、自分の会社を...

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