第242章

 安和の奥さんが歩み寄り、ちらりと一瞥をくれた

「最近、忙しいの?」

 安和博人は隠さずにうなずいた

「次男のところで問題が起きてね。取引先が次々と契約を切ろうとしてるんだ。仕方ないから、違う道を探すしかなくてさ」

「そうなのね」

 安和の奥さんは、もう一度じっと夫の様子を見つめた。

 次男の家の一件を思うと、胸の奥がむかむかする。

 次男の家が恥をさらしたせいで、安和家全体ががたがたになっている。

 とりわけ、自分の息子と夫は、このところその対応で東へ西へと駆けずり回り、ろくに食べも眠りもしていない。

 そのうえ、文句まで言われる始末だ。

 あの姑が、鼻で人を笑い、目つ...

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