第245章

オフィスの中。

女は男の膝の上にまたがっていた。

敏感な部分同士がぴたりと密着する。薄い布が二枚挟まっているだけの距離。

男の冷たい指先が彼女の頬をなぞり、ゆっくりと下へと滑り、きゅっとした顎にとどまる。

視線が絡み合う。

篠崎アエミはわざとらしく目を翻した。

「離しなさいってば」

艶やかな空気が、一瞬で壊れる。

榎田神也は肩をすくめてみせた。

「今さらだけどさ……やっぱりおまえ、ロマンチックとかそういうのにアレルギーあるよな」

「そうかしら」篠崎アエミはふっと笑う。「ロマンチックがしたいなら、相手を変えればいいじゃない。きゃっ――!」

胸元に鋭い痛み。

榎田神也が、...

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