第253章

包間の中。

食事はひどく味気ないものになっていた。

本当なら今日はお酒でも飲んでお祝いするはずだったのに、今となっては――。

篠崎アエミは赤ワインのグラスを手に取り、軽く揺らしながら苦笑した。

「最初から、一緒になんてなるべきじゃない人たちって、いるのかもしれないわね」

林田涼子がそっとその手をつかむ。

「落ち込んでる時にお酒なんて飲まないの。楽しい? 楽しくないでしょ? ちょっとでやめときなさいよ、もうすぐ大事な時期なんだから」

「ありがとう。涼子みたいないい友達がいてくれて」

「当たり前でしょ。あたしはずっとアンタの味方だから」

林田涼子はぐいっと身を寄せると、篠崎アエ...

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