第265章

宮崎監督は業界でも名の知れた存在だ。

彼が手がけた映画やドラマは、ことごとく各種の賞を総なめにしてきた。

もし今回のドラマも受賞でもしたら――衣装監修を担当した彼女の名前も、一気に世間に広まるだろう。

篠崎アエミに断るという選択肢はなかった。こくりとうなずき

「もちろん、喜んで」

「そうこなくちゃな。安心しろ、次のドラマもお前に頼むつもりだ。しかもまた時代劇だぞ。お前のキャリアには悪くない話だ」

「ありがとうございます」

逃げ場はない。

篠崎アエミは他のスタッフたちと一緒に、パーティー会場へ向かった。

宮崎監督主催の打ち上げはかなり大規模で、会場には名の通った実業家たちが大...

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