第284章

部屋の中に、ねっとりとした熱が滲むように満ちていった。

榎田神也の視線が彼女の体を何度もなぞり、燃えるような眼差しで喉の奥まで呑み込みそうに見つめてくる。

篠崎アエミは冷えた目で言い放った。

「早く出ていって」

榎田神也は口元を吊り上げる。紅い唇を見て、ネクタイを乱暴に引き抜いた。逃がさないとでも言うように視線を絡めたまま、

「愛してるって言え。そしたらすぐ出ていく。……言わないなら」

耳元へ顔を寄せ、艶を含ませた声で囁く。

「罰をやる」

熱い息が、肌に吹きかかる。

篠崎アエミは彼の瞳に渦巻く欲望を見て、頬を赤く染めた。

「だめ……おばあちゃんが……」

「男に『だめ』な...

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