第287章

岩田延一は席の端に腰を下ろしたまま、黙って篠崎アエミの青ざめた顔色をうかがっていた。やがて探るように口を開く。

「知り合いが何人かいてさ。服飾のほうに投資したいって――」

「結構です。宮崎監督たちはまだ契約こそしていませんけど、無憂スタジオの実力を見せれば、合作まで持っていけると思っています」

――あとは、時間の問題。

それに、宮崎監督たちだけにこだわる必要もない。ほかの投資家を当たる手もある。ただ、それだけ余計に時間がかかるだけだ。

今は手を怪我していて絵が描けない。だったら、その時間で投資家探しをしたほうがいい。

篠崎アエミと林田涼子は目を合わせ、互いの考えを読み取る。

人...

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