第289章

きつく包み込まれる感覚に、榎田神也の全身がふっと解けた。喉の奥から、一定のリズムでくぐもった声が漏れる。

どれほどの時間が経ったのか。堪えるのが限界に達したのか、腰の動きが急に速まり、残る力ごと相手を激しく揺さぶった。

ふたりの身体がせわしなく揺れ、その振動がテーブルまでがたがたと揺らす。

篠崎アエミは緊張で胸がいっぱいになり、外に聞こえるのではと怯えながら、彼の首に腕をきつく回して小さく首を振った。

――だめ。

無憂スタジオはいま何かと騒がしい時期だ。これ以上、余計な噂は増やしたくない。

そんなアエミの不安とは裏腹に、榎田神也は興奮を隠さない。身をかがめて唇の端に軽くキスを落と...

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