第291章

榎田家――名門中の名門だ。

入江宝夢のたった一言で、この街で投資を探す道は完全に断たれた。

残るのは、他の都市へ行くしかないという現実。

アクセルを踏み抜くと、車は道路を猛然と駆けた。

林田涼子は考えれば考えるほど腹が立つらしく、「どこに行ってもあいつがいる。振り払っても振り払っても、まとわりついてくる」と吐き捨てた。

「もう、落ち着いて。ほかに手はあるかもしれないでしょ」

篠崎アエミも苛立ちの渦中にいた、そのとき――匿名メールが一通届いた。

中身は、やけに情報量が多い。

榎田神也と天野千尋の写真だけではない。影帝・二階堂天誠に関する情報まで添えられていた。

暴行事件は、故...

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