第292章

工場の責任者は首を突き出し、露骨に不満を顔に出した。

「何がどうしただ。山ん中のガキどもなんて何もわかりゃしねえ。見た目さえ良けりゃいいんだよ。全部ダウンにしたら、こっちは赤字で死ぬだろ」

「契約は交わしてあります。契約どおりにやってください。従わないなら責任を追及します」

林田涼子は契約書を取り出し、一語一句、突きつけるように問いただす。

責任者は平然と鼻で笑った。

「できるもんなら訴えてみろよ。こっちはもう債務超過だ。じきに破産申立てするところだしな……」

「……は?」

やられた。

篠崎アエミは工場の財務資料を目にした瞬間、言葉を失った。

委託先を探す段階で、調査は念入...

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