第300章

年寄りの目はごまかせない。

岩田延一が篠崎アエミに惚れていることも、あっさり見抜いていた。

あの二人が並んで歩けば、誰がどう見たってお似合いだ。

おばあちゃんの縁談攻勢に、篠崎アエミはただ肩をすくめるしかない。

「はいはい、わかったわ。でも今は慈善パーティーの準備で立て込んでるの。それに、そういうのって……ご縁もあるし、焦っても仕方ないでしょ」

「そうねぇ」

急かしすぎれば、かえって反発される。おばあちゃんはそこを心得ている。

保温の弁当箱を抱え、スタジオを出ていった。

通りに出たおばあちゃんがタクシーを拾おうとした、そのとき――電話が鳴る。

通話ボタンを押し、少し大きな声...

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