第302章

松岡正恭は契約書に並ぶ条項を目にした瞬間、その場で固まった。熱を帯びた視線のまま、思わず口をつく。

「……つまり、うちの会社が、そちらのターゲットってことか?」

表情には、隠しきれない喜びが滲んでいた。

林田涼子はうなずく。

「無憂スタジオが海外へ出るには、信頼できるパートナーが必要です。そこにタフルブランドがぴったり合致しました。もちろん、契約書の記載はよくご確認ください。お互いにとって“勝てる”提携にしたいんです」

オリーブの枝は、すでに差し出した。

あとは相手が受け取るかどうか――。

十分後。

契約書を隅々まで読み込んだ松岡正恭は、先ほどまでの浮かれた空気を引っ込め、顔...

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