第305章

部屋の中。

女の甘い喘ぎと男の荒い息づかいが絡み合い、肌と肌がぶつかる音がぱんぱんと途切れず響いていた。大きなベッドは身体の揺れに合わせて、かすかにきしみながら揺れる。

篠崎アエミは、自分が風に流される小舟になったみたいだ、とだけ感じていた。

二人が絶頂に差しかかった、そのとき――廊下から足音が近づいてきた。

次の瞬間、扉が開く。

見知らぬ男が踏み込んできたのを見て、篠崎アエミは息を呑み、反射的に布団で身体をきつく包んだ。だが榎田神也は一切ためらわず、足を振り抜く。

ドンッ!

男は蹴り飛ばされ、床に叩きつけられた。

榎田神也はそのまま扉を閉め切り、何事もなかったようにベッドへ...

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