第320章

離婚してからというもの。

あいつの欲が、明らかに増した。

毎回、終わるまでが長い。

身体が、もたない。

湯の張った浴槽に身を沈めたまま、篠崎アエミは榎田神也の恨めしそうな視線を受け止めると、ため息ひとつ、股間のものを握り込んだ。素早く、容赦なく扱ってやる。

がらんとした浴室に、男の荒い息だけが断続的に響いた。

三十分後。

恨めしそうなのは、篠崎アエミのほうだった。

両手がだるくてたまらない。彼女は睨みつけるように言い放つ。

「自分でなんとかして」

「けど、こいつがおまえを欲しがってる」

榎田神也の喉仏がごくりと上下し、そのまま彼は身を屈め、彼女の唇を塞いだ。

腕が檻み...

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