第72章

弟が偶然出会った老婆。孫娘のために妊娠中の薬を探していたその老婆が、まさか榎田神也の義母だったとは。

それを知った弟は、迷いもせず、極寒の性質を持つ漢方を処方したのだ。

それを飲めば、七転八倒の苦しみを味わうことになる。

死ぬほどの激痛を。

通話を終え、彼女は魂が抜けたように座り込んだ。頭の中は混乱の極みだ。「無憂と榎田神也、一体どういう関係なの? まさか、ただの偶然?」

弟が榎田の妻に出した薬。

無憂の腹痛と出血。

足元から這い上がるような悪寒。

彼女は身震いし、決意を固める。「関係があるかどうか、カマをかけてみればいい!」

足音が近づく。

振り返った彼女は目を輝かせた...

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