第79章

夜の闇は深まるばかり。

篠崎アエミはあくびを噛み殺せずにいた。

それなのに安藤京子は帰ろうともせず、延々と喋り続けている。

カメラが回っているせいか、彼女はことあるごとに親しげなボディタッチを繰り返していた。

アエミはそれが不快でたまらない。調子に乗って帽子まで剥ぎ取られるのではないかと気が気じゃなかった。

三十分が経過した。

堪忍袋の緒が切れたアエミは、ついに口を開く。

「今日はリフレッシュの日なんですから、仕事の話はやめにしませんか」

「そうね! じゃあ二人とも、楽しんで!」

安藤京子は立ち上がると、未練も見せずにさっさとその場を後にした。

去っていく背中を見送り、ア...

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