第97章

もしあのクズ男が本気で違約金を請求するつもりなら、あいつに篠崎アエミの夫を名乗る資格はない。それに引き換え、目の前にいるこの人はどうだ。

何年経っても岩田延一の想いは変わらない。これほどの一途な愛が他にあるだろうか。

林田涼子はその様子を見て、心に固く誓った。今後、この二人を全力でくっつけてやろうと。

当の篠崎アエミは、自分が新たな「洗脳」のターゲットにされているとは露知らず、宮崎監督との熱い議論に没頭していた。さすがは時代劇の巨匠と呼ばれる宮崎監督だ。衣装に対するこだわりは並大抵のものではない。

話しているだけで、篠崎アエミは多くのことを学んだ。まるで乾いたスポンジが水を吸うように...

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