第39章

藤原羽里の瞳が暗くなった。一歩後ずさると、突然足を振り上げ、部屋のドアを内側へ蹴り開けた。

葉田知世の部屋はとても狭く、ドアを開けるとすぐに彼女の寝室だった。

洗面所は玄関の左手にあり、濃厚な血の匂いが隙間から漏れ出ていた。藤原羽里は胸が締め付けられる思いで、もう一度足を振り上げ、洗面所のドアを蹴り開けた。

衝撃的な光景!藤原羽里は一瞬目の前が暗くなり、危うく倒れそうになった。

洗面所の床には、シャワーヘッドから出る水が鮮血と混じり合い、あたり一面に広がっていた。

葉田知世はシャワーの下で蹲り、無表情な顔で彼を見上げていた。右手にはナイフを握り、左腕はすでに自分で切り刻まれ、おぞま...

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