第4章

 返事をする間もなく、寝室の扉が開いた。

 ケインが姿を現す。昨日私が買い与えた濃色のローブをまとい、トリスタンを一瞥して、静かに言った。

「俺だ」

 トリスタンの瞳孔がぎゅっと縮む。周囲の温度が跳ね上がり、金紅の炎が羽毛の隙間から滲み出した。

「お父さま、お母さま、早く!」

 エヴァンジェリンが悲鳴を上げて部屋を飛び出す。

「お姉さまが野生の魔獣を連れて帰ってきたの! 頭がおかしくなったんだわ!」

 両親が慌てて駆けつけた。父が手を上げると、半透明の防護結界がトリスタンとケインの間に展開され、暴走しかけた炎を遮断する。

「どういうことだ」

 私はケインの隣へ歩み寄り、その...

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