第5章

 光の幕が消えたあと、父はすぐには怒鳴らなかった。

 ただ黙ったままトリスタンとエヴァンジェリンを見つめ、それから言った。

「二人とも、自室に戻れ」

 エヴァンジェリンが目を見開く。

「お父様、説明を——」

「戻れ」

 父の声には温度がなかった。冬の氷みたいに、ひやりとしていた。

 トリスタンとエヴァンジェリンが下がると、ダイニングルームに残ったのは私と両親だけ。母が私を見て、複雑な目をした。

「ずっと、魔法水晶で記録していたの?」

「護身用よ」私は淡々と言った。「まさか本当に使うことになるとは思わなかったけど」

 父が短く息をついた。

「こちらで処理する。お前は先に休...

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