第7章
トリスタンが羽毛を逆立てている様子が、思わず笑いを誘った。
公爵邸で丹精込めて育てられた純血の鳳凰。最も体系立った魔法訓練も礼儀作法も叩き込まれているはずなのに、ケインの前だといつもこうして制御のきかない獣性を露わにする。
ケインは淡く笑っただけで、マントを整え、トリスタンへ視線を向けた。
「続ければいい」
「ご主人様」
トリスタンの声はどこか切迫していた。
「今夜……俺をお傍に置いていただけませんか?」
「魔力の調律なら、鳳凰の本分です。俺なら魔力の乱れを鎮められる。狼人より、役に立てます」
眉を上げる。
「へえ?」
尾羽がふわりと開いた。
「本当です、ご...
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