第154話

その言葉を思い出すたび、ベンジャミンは胸が張り裂けそうなほどの痛みを感じた。それは本当に耐え難い感覚だった。

マルティナは眉をひそめ、なぜベンジャミンがそのように解釈したのか理解に苦しんだ。

「この場所に来たくなかったという意味じゃないの。ただ単に、ここには来たくなかっただけよ。それだけ」彼女はそう説明した。

かつては、マルティナもまたそのような夢想を抱いていたからだ。もしある日、このような場所に来て祝福を求めることができるなら、彼女はひざまずいて一心不乱に祈っただろう。ベンジャミンと一緒にいられるなら、それだけで十分だと。

しかし、彼女自身の心は変わり果ててしまった。どうして今さら、...

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