第163話

一歩も引く気配を見せないレスリーに対し、男たちは今にも殴りかからんばかりの勢いだ。一触即発の空気が漂っている。

「へっ、どうしても痛い目を見たいってんなら、喜んで相手をしてやるよ。酷いことになっても、後で泣きつくんじゃねえぞ。警告はしたからな」男の一人が冷笑を浮かべて言い放った。

あっという間に激しい乱闘が始まった。男たちの連携はあまりにもスムーズで、幾度も修羅場を共にしてきたかのような、非の打ち所がないチームワークを見せつけた。

いくらレスリーが腕に覚えがあるとはいえ、これだけの人数から繰り出される拳や蹴りを捌き切るのは容易なことではない。あちこちに傷を負い始めており、このままでは圧倒...

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