第184話

ベンジャミンの感情の欠落した声を聞き、エイミーの不安は募るばかりだった。

「な、何……?」彼女は口ごもった。

固く握りしめられたエイミーの両手を目にして、マルティナはその光景をひどく滑稽だと感じていた。

そもそもエイミーが最初から自分の過ちを自覚していれば、これほどの事態にはならなかったはずだ。今さら、誰に対してその反省したような態度を見せつけようというのか。

正直なところ、マルティナはベンジャミンがこの状況をどう捌くのか興味があった。彼は自分の流儀を貫くのか、それともパロマ家の顔を立てて、またしても彼女を見逃すのだろうか?

やがて、ベンジャミンの言葉がマルティナの密かな疑問に答えを...

ログインして続きを読む