第149章 一緒にオーロラを見に行く

しかし、彼女は分かっていた。自分はこのような感情を抱いてはいけないのだと。

黒木蓮と自分とでは、住む世界が違いすぎる。

蓮は光り輝く雲の上に立つような、あまりに眩しい存在だ。対して自分は、最悪な結婚生活を経てどん底まで落ちた身だ。もし蓮が親切に手を差し伸べてくれなかったら、自分は今も泥沼の中でもがいていただろう。

それなのに、目の前の「月」を独り占めしたいなどと、なんと卑しい心を抱いてしまったのか。

卑怯だ。

どうしてこんな考えを持ってしまったのだろう。

「凛、座って」

ヘリコプターが闇夜を切り裂くようにゆっくりと上昇していく。狭い機窓からは、アイスランドの夜が一望できた。

...

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