第150章 なぜもっと早く見つけてくれなかったのか

白石凛が図面と格闘し続けているうちに、いつの間にか午後の日差しが傾いていた。

部屋のドアがノックされ、黒木蓮が姿を現す。

白石凛は部屋着のままで、髪も下ろした無防備な格好だった。ドアを開けて黒木蓮の姿を認めると、少し驚いたように目を丸くする。

「黒木……商談は終わったの?」

「ああ」

突然、黒木蓮の手が伸びてきて、彼女の頬に触れた。男の掌は厚く、温かい。白石凛は思わず身を縮こまらせてしまう。

「黒木……」

「紙屑がついてる」

男の指先には、小さな紙切れが摘ままれていた。

「インスピレーションが湧かないか?」

彼は床に散らばる没案の山に目を留める。

白石凛は恥ずかしそうに...

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