第153章 今夜、あなたは私の獲物

西園寺静は眉をひそめたが、それ以上は何も言わずに、友人たちより一足先に個室へと入った。

彼と数人の友人たちは定期的にこうして集まっているのだが、話題は自然と西園寺家の内部事情へと移っていった。友人たちは口々に、西園寺昴に美味しいところを全部持っていかれる前に家に戻るべきだと彼に忠告した。

静は適当な相槌でその場を濁すと、手洗いを口実に席を立った。

喫煙所の前で一本吸い終え、踵を返したその瞬間、柔らかい体が胸に飛び込んできた。

鼻腔をくすぐる薔薇の香りと、混じり合った酒と煙草の匂い。静は眉を寄せながらも、咄嗟に目の前の女性の体を支えた。

そして、その潤んだ妖艶な切れ長の瞳と目が合った...

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