第177章 彼は君を待っている

会場は混乱の渦中にあった。

白石凛とアンナがまだ数歩も進まないうちに、凛の腕が強く掴まれ、強引に体を反転させられた。

「凛、怒っているんだろう? 本当は俺のことが……」

「まだ俺を愛しているんだろう?」

「分かっているんだ。凛、君がまだ俺を愛していることくらい」

西園寺昴は狂ったように、彼女がまだ自分を愛しているかどうかに執着し、問い詰めてくる。

愛?

「西園寺昴、私とあなたの間には、とっくに愛なんて言葉は存在しないわ。あるのは憎しみだけよ」

「憎んでいるわ、西園寺昴。どうして死んだのが私の子供で、あなたじゃないの? 私の青春をこれほど無駄に浪費させ、お祖母ちゃんまで死に追い...

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