第253章 必ずあの人を引っ張り出す

「どうした?」

黒木蓮は、どこか心ここにあらずといった様子の西園寺静をじっと見つめて問いかけた。

「いや、なんでもない」

西園寺静は慌てて意識を引き戻し、表情を正した。

(やはり、やめておこう)

彼とアンナの間については、前回すでに嫌というほど話し合ったはずだ。

これ以上、何を蒸し返す必要がある?

「凛、腹は減ってないか? 何か食べるか?」

白石凛に視線を移すと、黒木蓮の表情は一転して優しさに満ちたものになった。

本当は食欲などなかったが、黒木蓮に心配をかけたくない一心で、白石凛はこくりと頷いた。

その時、相井新一が手提げ袋を持って病室に入ってきた。

「医者と話してきま...

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