第262章 夜会

白石凛はそっと黒木蓮の横顔を窺った。

黒木蓮の口角がわずかに持ち上がる。

「以前お調べするよう仰っていた、白石悟氏が白石さんに遺した遺産の件ですが、目処が立ちました」

黒木蓮のスマートフォンに、相井新一からのLINEの通知がポップアップしたのだ。

画面を見つめながら、黒木蓮は微かに眉をひそめる。

やはり、か……。

「どうかしたの?」

白石凛は、彼の纏う空気がわずかに変わったのを敏く察知した。

黒木蓮は首を振る。

「いや、何でもない」

事態が完全に片付くまでは、彼女に余計な心配をかけたくなかった。

何しろ、帝都には白石凛にとって思い出したくない記憶が多すぎるのだから。

...

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