第134章 主権を主張する

彼女の指先が、無限の甘い誘惑を帯びて彼の頬を滑る。

「その時、あの人はただの名ばかりの夫。病院のベッドに縛り付けられるか、私たちが飼い慣らすただの操り人形よ。本当に私を手に入れ、すべてを支配するのは……あなたなのよ、耕治」

橘耕治の瞳に天秤にかけるような光と欲望が浮かぶのを見て、彼女はさらに畳みかける。その声色は無慈悲でありながら、猫のような媚びを含んでいた。

「そうして初めて、私たちはあの人を完全に踏みつけ、彼が持つすべてを奪い取れるのよ! ただ橘家から追い出すより、ずっと胸がすくと思わない?」

橘耕治の呼吸が荒くなる。

橘リカの言葉は極上の甘美な毒となって、権力、女、そしてあの...

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