第138章 信じられるのはお前だけだ

綾瀬美月は全身を強張らせ、弾かれたように顔を上げた。

視線の先には、恐竜の着ぐるみのパジャマを着た綾瀬陽がいた。彼は小さな風車を抱え、くりくりとした瞳を見開き、小首を傾げて、ベッドで固く抱き合う二人を無邪気に見つめている。

氷室龍一もその声で『目を覚ました』らしい。

彼はゆっくりと瞼を開け、まずは腕の中で木彫りのように硬直している綾瀬美月を見下ろした。唇の端に、微かな、気づかないほどの笑みを浮かべる。

それから気だるげに、ドアの前のちびっ子へと視線を移した。その口調は、まるでそれが毎日の日課であるかのように自然だった。

「おはよう、陽」

綾瀬美月は絶句した。

穴があったら入りた...

ログインして続きを読む