第156章 独立

業界屈指の実力を誇る『衡平法律事務所』は、ブランド『初音』の代理人として、一言一句隙のない警告書と訴状の副本を、デザイナーの榎田収、元審査員の薮塚秀二、そして主要メディア各社へと一斉に送付した。

訴状における告発内容は、彼らが共謀して行った営業誹謗行為、不正競争、および企業秘密の窃盗である。

そこには、『涅槃』シリーズのインスピレーションの萌芽から完成に至るまでの詳細なタイムラインが整然と列挙されていた。そのすべての通過点は、競合相手の著作権登録やネット公開の日時よりも遥かに先行しており、これによって「盗作」の可能性は根底から断ち切られた。

さらに、第三者の権威ある機関による技術鑑定報...

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