第160章 自ら発信機を抉り出す

綾瀬有美は消化に良い薄めのおかゆを作ると、それを少しずつ、丁寧に黒薔薇の口へと運んだ。

解熱剤と食事が効いたのか、黒薔薇の顔色は幾分マシになったように見える。だが、その眼底にこびりついた深い疲労と警戒の色は、依然として濃いままだ。

彼女はベッドで休むようにという綾瀬有美の勧めを頑なに拒み、ソファの上で体を丸めることを選んだ。

「ここでいい」

掠れた声だったが、そこには譲れない意志があった。

綾瀬有美もそれ以上は無理強いできず、厚手の毛布と枕を持ってきて彼女をソファに寝かしつけると、自分はその傍らに布団を敷いて付き添うことにした。

「私はここにいるから。何かあったら声をかけてね」

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