第338章 私のところで稼げる

桐島蓮の葬儀を終えてからというもの、綾瀬美月の立場と影響力は文字どおり一変した。

自身の事業は盤石。さらに氷室龍一との縁談が目前に迫り、加えて綾瀬陽が桐島グループを継いだことで――美月は間接的に、目を疑うほどの財と人脈を動かせる位置へと押し上げられたのだ。

かつて彼女が落ちぶれたと決めつけ、冷たい目で見下していた連中は、手のひらを返すように価値の再査定を始めた。

その中でも、落ち着かないどころか夜も眠れないほど焦っていたのが――叔父の綾瀬和延だった。

綾瀬和延は、美月の父の実弟である。

美月の父が不慮の死を遂げた当時、綾瀬家で成人男性として前面に立てたのは和延だけだった。

彼はそ...

ログインして続きを読む