第20章 謝罪

執事は腑に落ちない顔で首を傾げた。

「奥様、いったい誰がこんなものを届けたんでしょう。まさか坊ちゃま……というわけでもありませんよね?」

髙野爺さんは体が弱い。髙野拓海だって、こんな時期に自分の首まで絞めるような真似はしないはずだ。

いくら何でも、髙野爺さんは彼にとって無視できない存在である。

その「書類」が、どうやって髙野拓海の手を経て髙野爺さんのもとに届いたのか。答えはひとつしかなかった。林谷由佳以外、考えられない。

その時、芽衣のポケットのスマホがぶるっと震えた。髙野拓海からの着信。

通話を取ると、氷みたいに冷えた声が落ちてくる。

「病院に来い」

芽衣の瞳は凪いだまま、...

ログインして続きを読む