第29章 誕生日パーティー

林谷誠子は、腕の中で声を上げて泣きじゃくる娘を見下ろした。そこに「可哀想」という感情は欠片もない。むしろ、苛立ちがじわりと滲む。

同じ隠し子でも、林谷香奈は林谷拓朗に大事にされている。理由は単純だ。今や仕事で結果を出し、さらに名医・飛鳥の助手にまでなったから。

それに比べて林谷由佳はどうだ。

髙野拓海との結婚はいつまでも決まらない。おまけに最近、事業が思うようにいかない林谷拓朗は、妻である誠子ごと由佳を疎ましがっている。

由佳がもう少し「使える」娘なら、こんな扱いを受けずに済んだはずなのに。

林谷誠子は由佳を乱暴に押しのけ、指先で娘の腕をぎゅうっとつねり上げた。声音は氷のように冷た...

ログインして続きを読む