第36章 二度とない

入口の明かりがふっと翳り、高野拓海と西田圭介が前後して店内へ入ってきた。

高野拓海は床一面に散った陶片を踏みしめる。しゃり、と乾いた音。荒れ果てた店の惨状をひと目見た瞬間、瞳の奥がすっと沈んだ。

西田圭介は一歩引いた位置でその光景にぎょっとし、すぐさま腕を組んで面白がるように眺め始める。視線は芽衣たちと中山美穂たちの間を、行ったり来たり。

高野拓海の姿を認めた途端、中山美穂の顔色が変わった。甲高い声で喚き散らす。

「芽衣、あんたほんっと汚い! 裏で人を呼んで味方つけて、挙げ句に高野社長まで引っ張り出すとか……恥ずかしくないの!?」

芽衣は、さっき大男にぶつかられた肩がまだじくじく痛...

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