第43章 十億

芽衣がパーティー会場をあとにし、帰り道を車で流していると――携帯が鳴った。髙野家からだ。

「若奥様」執事の声が落ち着いて響く。「大旦那様が、奥様にお会いしたいと申しておりまして……いま一度、お戻りいただけますか」

芽衣はしばらく黙ってから、断らなかった。

髙野爺さんは髙野拓海以上に彼女を庇ってくれる。その気持ちは痛いほど分かっているし、叶えられることなら、できるだけ叶えたい。

車が髙野家の敷地へ入ると、庭がいつもより賑やかだった。

リビングには髙野爺さんの友人たちが数人。中には四、五歳ほどの男の子を連れた人もいて、子どもはミニカーを手に絨毯の上を走らせながら、きゃいきゃいと騒いでい...

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