第46章 君を守る

何年も前の、あの夜のことが、不意に芽衣の脳裏へ浮かんだ。

あの頃の幼い彼女は、全身ずぶ濡れでひどく打ちのめされた男の子を助けた。

小さなその手は、熱を持っていて、彼女の手をぎゅっと握り締めていた。意地っ張りで、けれどひどく真剣な目をして、彼は言ったのだ。

「俺が大きくなって、ちゃんと力を持ったら、一生お前を守る。もう二度と、誰にもいじめさせない」

あの時の声は、澄んでいて、まっすぐで。

芽衣の幼い日々を照らした、たったひと筋のぬくもりだった。

……なのに、今はどうだろう。

髙野拓海は何度も何度も、彼女を置き去りにした。

そのたびに芽衣は、自分ひとりで火の粉を振り払い、どうにか...

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