第51章 恩を仇で返す

来たのは海野奏太と竹村茜だった。

海野奏太は仕立てのいい白いスーツに身を包み、すっと伸びた立ち姿は柔らかな気品すら漂わせる。けれど眉間には焦りと心配が色濃く滲み、足早に芽衣のそばへ寄った。

「芽衣、やっと会えた。昨日、何かあったって聞いて……気が気じゃなかった。どこか怪我してない?」

視線が眉、目尻、首筋へと細かく走り、擦り傷ひとつも見逃さない勢いだった。

竹村茜も芽衣の手をぎゅっと掴む。目元がうっすら赤い。頭のてっぺんから足先まで何度も確かめ、無事だと分かったところでようやく息を吐いた。

「芽衣、心臓止まるかと思った! 何があったの? 昨日、髙野拓海が助けに行ったって……マジ?」...

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