第52章 すべて連れて行く

最初から最後まで一言も発さなかった芽衣が、ようやくゆっくりと壇上へ歩み出る。紅い唇が開き、澄んだ芯のある声がマイクを通して、発表会場の隅々まで届いた。

「今日ここに来たのは、あなたたちと嘘の押し付け合いをするためでも、好き勝手に中傷させるためでもありません」

一拍置いて、芽衣は会場全体を冷ややかに見渡す。

「今日は、真実を話します。私が人を雇って叔父を殴らせたんじゃない。高橋大和が、先に私を襲って暴行しようとした。――私に性的暴行を加えようとしたのは、あの男です」

会場が、しんと凍りついた。

芽衣の言葉は、平地に落ちた雷みたいに、記者たちの胸のど真ん中を叩き割った。

さっきまで唾...

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