第54章 思い知らせる

髙野拓海はその言葉に、わずかに目の色を動かした。沈黙が落ちてから、淡々と言う。

「芽衣の名前も。あわせて入れておけ」

内田文也が目を瞬かせた。

「髙野社長……奥様に医学部の枠を?」

「そうだ」

髙野拓海の視線は深い。

「素地は悪くない。手に職をつけさせたほうがいい」

――まだ、取り返しのつかないところまでは行っていない。

一流の学校に放り込んで、きちんとした医術を身につけさせる。専門を極めれば、将来、別れることになったとしても、誰かの男に寄りかかって生きる必要はなくなる。

どうせ自分は、いずれ林谷由佳を娶る。

愛しているのは林谷由佳だ。

なら芽衣には、誰にも握られない強...

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