第6章
藤沢茜視点
引き裂かれたキャンバスと絵美さんの設計図に囲まれ、アトリエの残骸の中に座り込んでいると、ようやく言葉が出てきた。
「真琴のこと、教えて」私の声は泣きすぎてしゃがれている。「つまり、私が来る前のこと」
絵美さんが顔を上げる。何かを考えるような表情がよぎった。どこから話すべきか決めているように、彼女は少し黙っていた。
「私、最低の姉だった」やがて彼女は言った。「子供の頃、嫉妬してたの。真琴は注目を一身に浴びてたでしょ? 才能あふれる息子、期待の星。だから、彼の毎日を地獄にしてやった。絵を馬鹿にし、おもちゃを壊し、友達の前で恥をかかせた」
その声には、本物の後悔が滲んで...
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