第14章 男に頼るな

「木村社長、本当に申し訳ございません」

相馬寧は誠意を込めてそう切り出した。

「夏目茉莉は守屋社長の意向で入ってきた人なので、私にもどうにもできません。ただ、本日お電話したのは、その件ではなくお伝えしたいことがあるからです。私、まもなく守屋グループを退職いたします」

受話器の向こうが、数秒ほど沈黙する。

「君が辞めるのか?」

「はい」

相馬寧ははっきりと答えた。

「ですが、プロジェクトについてはご安心ください。契約書の条項はすべて私が確認済みです。もし守屋グループ側に不手際があれば、負うべき違約責任は一切免れません。木村社長のお手元にある契約書も、私が退職したからといって法的効...

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