第22章 二重基準

「……また何を言い出すの?」

相馬寧は、何度目かの説明を繰り返した。

「だから何回も言ってるでしょ。これは血を拭くために借りただけ。ちゃんと返さなきゃいけないの」

守屋蒼河が、ついに爆発した。

手帕をぐしゃりと握りつぶし、乱暴に脇へ放り投げると、間合いを詰めて相馬寧の肩をがしっと掴む。

「相馬寧。俺を三歳児だと思ってんのか? こんな生地のハンカチ、1枚で最低でも10万はする。そんなもんを、誰が気軽に貸すんだよ。血拭きに?」

相馬寧は答えなかった。

もう何度も説明した。

どう言っても守屋蒼河は信じない。なら、これ以上口を使う意味なんてない。

「……言えねえのか?」

守屋蒼河...

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